素浪人の生存報告

　二度寝して起きたら10時前。準備して飯食ったら12時。出発して2.5キロくらい走ったら後輪パンク。修理が終わったら13時半。再出発したら後輪から異音…タイヤがへこんでいる。また失敗か。
　もう今日は進むのやめた。自転車を押してツーリングステイションに戻り、後輪のチューブを再び取り出し、空気を入れてみる。うーん、漏れてない。さっきの異音とへこみは何だったんだろう。まあ新品に取り替えておこう。
　もう今後はパンク修理なんてしないもんね。どーせ失敗すんだから。問答無用で新品に取り替える。

天草の素敵なお宿「風来望」の畑


海の真ん前


風来望のある集落



◆今日の日記

　昨日のスパゲティの余りを食べ、それでも食べきれなかった分はラップにくるんで出発。10時過ぎ。

　天草の南端まで40kmちょい漕いで、長島行きフェリーに乗船。フェリーが長島へ着く寸前に嫌なものが見えた。登坂車線…。ずいぶんなご挨拶だな。
　天草の40kmで既に脚が疲れてしまっているところで、いきなり坂道を見せられて気力ががくんと下がった。漕いで上れませんので押して歩きます。
　長島のどの坂も、天草のよりも角度がきつい。そしてまるっきり平地がねえ。坂を登り切ったら、下りのすぐ先にまた上りが見える。最悪の島だ。鬼ヶ島と呼んでやる。

平地がないので段々畑

　17km進むのに一時間半以上かかった。景色は綺麗な所だったが全く楽しめなかった。旅はバイクでするべきだよ、うん。
　長島から橋を渡って阿久根市へ。まだアップダウンが続く。鹿児島県はずっとこうなのか？だったら僕鉄道に乗っちゃうよ。
　それにしてもつくづく思うのだが、旅の始めの新潟〜青森は楽だったなあ。交通量は少なかったし、坂も大したことなかったし。初心者の頃に初心者向けコースを通れて良かった。

　さて今日のお宿は阿久根ツーリングSTAYtion。寝台列車どすー


　薪ストーブがあったかい

予報通り雨。雨が嬉しいのは初めてだ。ここにもう一泊できる。

朝食は、昨日の鍋の汁を使っておじや。うめ～。やっぱり一晩寝かすと旨味が増す。

今日もスティングを聞きながら夕闇を眺めた。海の向こうの灯台の光を見てボケーっと。良い所だなぁ…。ゲストハウスオブぢイヤー受賞決定だな。

晩御飯はスパゲッティを大量に茹でた。味付けは失敗！不味い。

写真を載せたいけど、ここはSoftBank圏外の為、明日移動してから載せよう(ブログはドコモの携帯で更新した)。

昨日の予定では、今日は10時のフェリーに乗って天草へ渡るつもりだった。ところが、宿でいつも通りダラダラしている内に、私は何故かフェリーの時刻を11時だと勘違いし、朝食をとっている時に時計の針は9時を指した。そこでオーナーが、「もう間に合わないねえ」と言ってくれて、私は自分の勘違いに気付いた。
フェリー乗り場は市街地から一山越えた所にあるから、10時は間に合わない。次のフェリーをインターネットで調べたら、13:20。まあいいや。
私はこれでも、人と旅行する時は、交通手段や宿や美味い店等を調べたり予約したりして、まるで旅行会社のツアーの如くぬかりのない様にするんだけど、自分一人だけだと、社会保険庁もびっくりの杜撰さを発揮する。

暇が出来たので、インターネットで「天草　宿泊　格安」で検索したら、フェリー乗り場から近い所に1500円で泊まれるゲストハウスを発見。明日は雨予報だから、連泊してもいい。もしフェリーに乗り遅れなかったら、この宿のことは知らなかったな。何が幸いするかわからん。


汗だくになりながら長崎市内の山を越え(よくこんな所に何十万人も住んでるなぁ、と思う)、13:20のフェリーで天草へ。再びの熊本県。
離島は交通量が少なくて大変走りやすい。車が行き交う国道には大分うんざりしてるからなぁ。和む。

200円で温泉に入り、ゲストハウスへ。海の真ん前の、めちゃくちゃ良い場所だ。釣り好きのオーナーが、今年関西から移住して始めたらしい。
ただ、オーナーは只今関西へ戻っており不在。代わりの管理人さんがいたが、明日からデートをするから金曜日まで留守にするそうな。だから金曜日までは今日の一泊分の料金で泊まれるで、とのこと。わあい、ラッキー。こういうざっくばらんなの好き。

広いゲストハウスに一人きり、夕闇の海を眺めながらスティング(宿にＣＤがあった)を聞く…なんて贅沢なんだ。何だか外国にいるような気分になった。最高の一人の時間だ。
そして今晩は、オーナーの自家菜園のチンゲン菜と、管理人さんとオーナーの釣り仲間と思しき方から頂いた魚で、鍋。至高の調味料は新鮮さ。うまい！！

　4:55のフェリーに乗るべく、朝３時起床。九州に入ってから初めてテントで寝たが、寝袋の中は無事温かかった。外は寒かばってん。
　真っ暗な中、フェリーで中通島へ。6時に到着。晩秋は日の出が遅かねえ。7時前になってようやく空の色が変わってきた。

　外は寒いのでフェリーターミナルで2時間以上じっとした。
　念の為、中通島から長崎市へのフェリーの時刻をipadで再確認したら、「9:50」となってた。！？昨日見たら13時だったのに、私は何を勘違いしていたんだ？長崎市へのフェリーはここから20kmくらい離れた港から出る。あと1時間で着かなきゃ。時速20kmで１時間。地図で見た感じだと、山道なのできつい。
　とにかく慌てて自転車を漕ぐ。すると、すぐに上り坂の洗礼が。下着が汗で湿る。傾斜がきついと時速10kmも出ない。こりゃ無理かな。

　途中ではたと気付いた。9:50の船は、普通のフェリーではなく高速船なのでは？携帯電話のインターネットで調べてみる。…ああ、やっぱり高速船の時刻だった。低速船は13:40だ。無駄な汗をかいた。フェリーに乗る前に温泉で汗を流そう。昨日風呂入ってないし。

　のんびり進んで11時前にフェリー乗り場に着き、改めて出港時刻を確認し、山を登って温泉へ。250円、安い！
　温泉で地元のおじさんに話し掛けられ、「旅が終わったらハローワークの職業訓練校で10万円もらいながら、だらだらしたらいいよ」と習った。なるほど、そんな生活手段があるのか。勉強になった。

　温泉を出て山を下り、フェリー乗り場近くの食堂の前を通ったら、さっき温泉で話したおじさんが食堂から出てきて招いてくれた。食堂の中にはおじさんの母君と、近所の御夫婦(？)がおり、「おごるよ」と言って下さった。ありがたや〜。五島うどんとライスをご馳走になった。五島うどんのあご出汁が旨かった。かつおだけの出汁よりいいね。
　おじさんとは電話番号とメルアドば交換した。

　長崎へのフェリーの中で昼寝をした。もしかすると、旅に出てから初めての昼寝？
のんびりしているようで意外にしていなかったのかな。
　長崎ではゲストハウスに泊まる。宿がわかりづらい所にあるということで、オーナーが港まで徒歩で迎えに来てくれた。このオーナーは日本のあちこち、海外もあちこち行ったことがある様だ。人脈も豊富そうで、ヨルダン人のご友人から電話がかかってきた。
　ヨルダン…。なんだかあの辺りには、きな臭い印象があったが、オーナーによると、物凄く安全な所らしい。女性が夜一人で出歩いても問題ないそうだ。「悪いことをしてはいけない」という宗教の戒律を皆守っているそうな。そう聞くと、俄然行ってみたくなるな。



眼鏡橋とチャンポンと、カステラ切り落とし350円