素浪人の生存報告

　昨日食べたシャーベット？ジェラート？があまりにもおいしかったもので、今朝も食べてから湯浅町を10時頃出発。
　顔や首や胸の肌が、自分の汗で出た塩にまけてピリピリする。海に入った時と同じだ。ほんと、体が繊細なんすよねえ。海水浴できんわ。プールの塩素も良くないし、泳ぐなら川やな。


　さて、紀伊半島に来たことを後悔した。予想してはいたことだが、アップダウンが酷い。平地がない！陽射しが強い。汗だく。めまい。おまけに、歯ぎしりのし過ぎ原因の歯痛が頭痛に繋がっとる。
　明日からは朝早く出て、昼間はこがないようにしようと反省した。昼間の紀伊半島を漕いでいたら、そのうち倒れる。

　梅干しと栄養ドリンクを腹に納めてもバテた感じは収まらなかったが、コンビニで買ったスライスレモン付きのかき氷のレモンをかじったら、楽になった。レモンの威力恐るべし。
　でもこのレモンはきっとメキシコかアメリカ産で、農薬使いまくりなんだろうなぁ。刹那的には体に良いけど、長い目で見たらきっと悪い。

　宿は、田辺市のゲストハウスに入った。
　塩分補給の為にチキンラーメンを食べてつゆも全部飲んだが、まだ塩分が足りてなさそう。


走行距離:81.8km
朝食:カロリーメイト2本、シャーベットダブル
おやつ:カロリーメイト2本
昼食:おにぎり1個、フライドチキン
夕食:チキンラーメン、フライドチキン、トマトジュース、冷奴550g、バナナ2本

　松屋で朝食を取り、「ごっつぉさん！」とでかい声で言って出た。関西の人は、店を出る時に「ありがとう」と言うのだ。これは良い文化なので、私は郷に従う。
　やっぱりこっちは人と会話をする文明があるな。東日本とは、そこが明らかに違う。東北の朴訥な感じも好きだけど、西は西でまた良い。

　和歌山市から糞つまらん国道を使って南下。和歌山市内から海南市にかけての海沿いにはこれしか道がないけん、車はまあまあの数が通るっちゃけど、私も大阪人の図太さを少しは見習おうと思い、後ろから来る車をあまり気にせんことにした。「俺はよけんぞ。お前等が俺をよけろや」と、俺様最優先モード。

　国道を外れて、細い県道に入ったら、そこはもうアップダウンの世界。ようこそ。予想通りです。
　今朝の天気予報では14時から雨とのことだったので、14時で今日のサイクリング終了。湯浅町で宿をとった。


醤油の町湯浅。江戸時代は宿場町として栄えたらしい。

　町の食堂へしらす丼を食べに行ったら、お客さんはおっちゃんばかりで「どこから来たん？」と、いつものパターンになり、色々質問された。
　お勘定の時に、一言も喋らなかったお客さんが、私に「ちょっと待ってな」と言い、食堂のおっちゃんからティッシュを一枚もらい、「頑張ってな」と1000円包んでくれた。自転車旅でお金を頂いたのは初めてだ。朴訥で東北の人みたいなおじさんだった。ありがとう。

　雨は21時くらいにどしゃーっと降ってきた。遅い。天気予報の馬鹿野郎！



走行距離:48.5km
朝食:豚丼
おやつ:チョコクロワッサン
昼飯:カロリーメイト4本
おやつ:ジェラート(ダブル)
晩飯:しらす丼
おやつ:かりんとう200g、カロリーメイト2本
　

　5時起き。
　昨日の時点では、5時44分学文路(かむろ)駅発の電車で高野山へ行こうと思っていたのだが、いざ当日早起きしてみると、「ま、いっか。のんびり行こうや」という気分になって、急がず7時ちょいの電車に乗った。
　ところが、2駅過ぎた所で納経帳を自転車に忘れたことに気付き、戻った。昨日も今日も「納経帳忘れないようにしないとな」と思ったのに。旅してると頭を使わないから、どんどん痴呆が進行してくる。
　で、結局8時13分の列車で高野山へ。5時に起きたのにねえ〜

　電車の終点からケーブルカーとバスと乗り継いで、高野山奥の院へ。金がかかる。
　奥の院は凄い所だった。樹齢何百年だかわからんような杉がごろごろあり、武田信玄や織田信長など超有名人のお墓もごろごろあった。流石は真言宗の聖地。
　生まれて初めて見た光景だったけど、人のお墓の写真を撮るのに気が引けたのと、奥の院の建物は撮影禁止だったので写真は無し。



　奥の院にて納経帳完成！これで本当に私の1度目のお遍路は終わった。いつか、お四国と高野山を再び回ろうぞ。
　それにしても、この奥の院の方が書いて下さった字はハッとする程美しい。一筆目から魅入られた。流石ラストダンジョン。

　
真言宗総本山金剛峯寺と、高野山の大門。高野山には一泊して、ゆっくりお寺巡りをするべきじゃの。どのお寺も、とてもお金がかかっていて綺麗。


　高野山から学文路駅に戻り、13時ちょい。気は進まないがさあ自転車で出発だ、って所で雨が降って来た。出ました、今年一発目の下痢等豪雨。これからの旅路はこいつとの戦いでおじゃるね。
　1時間ぐらい雨宿りしたらすっきり止んだけん、和歌山市へ向け出発。狭い県道や川の土手道を通った。和歌山の車は意地悪して来ない。京都市以外の関西は、意外と車のマナー悪くないんちゃう？岡山広島よりはいいぞ。もちろん四国・九州よりも。
　途中まで平均速度19kmでとったけん、よかペースで漕げたね。ばってん、午後から漕ぎ始めるのは精神的に疲れるー。

　和歌山市は県庁所在地なので宿をとった。ばってん、20時にもなると街が暗くなる田舎やった…。


走行距離48.5km
朝飯:カロリーメイト
おやつ:まんじゅう
昼飯:カロリーメイト
おやつ:まんじゅう、コロッケ
晩飯:ラーメン、めはり寿司(高菜の寿司)

　奈良市内の糞わかりづらい屁ー国道で迷って打ちのめさながら、橿原市(かしはらし)に、お四国20番・21番をご一緒したNさんがお住まいなので訪ねた。約2ヶ月ぶりの再会。奈良県に来た意味は、主にこの再会にある。Nさんは私が訪ねたことを喜んでくれた。
　回転寿司屋でお昼ご飯をまたもやご馳走になりながら、遍路道中のことなどを話した。Nさんは区切り打ちだったので、21番から先のルートについて、私が知っている僅かな情報をお伝えしておいた。
　Nさんから、お土産の和菓子と1万円ものカンパを頂いてしまった(^_^;)またお遍路さんからお接待を受けてしもうた。私も次にお遍路する時は資金を潤沢に用意して、自分より若い貧乏なお遍路さんにお接待しよう。今の私には、お接待を受けることしか出来ぬ…！


　14時頃Nさんと別れてから、和歌山県目指して漕いだ。パンクした。今朝、前輪の空気がいやに抜けていて嫌な感じがしたのだが、やっぱりパンクだったか。前回と同じく、小さな穴が空くやつだ。タイヤに植物のものと思われるトゲが刺さっていた。前輪のタイヤはかなり劣化しているからなぁ。パナソニックのタイヤは脆弱過ぎて長旅には向かない。でもこれしか売ってない。
　タイヤをリムから外すのに手間取って、おそらく1時間半くらいグダグダやってしもた。あー時間の無駄無駄。手作業には永遠に慣れない。


　その後は順調に走り、人生初の和歌山県に突入。高野山行きの電車が出る街・橋本でおじゃる。
　明日は電車で高野山に行くぞな。なので利便性の高い駅舎で寝ようと思ったら、なんと24時台まで電車があるではねーか。これでは眠れんので、近くの河原のキャンプ場の横にあるゲートボール場の休憩スペース(屋根あり)を寝床に決定。キャンプ場には屋根がないけん嫌だ。
　そしたら、キャンプ場の管理人さんが「そっちはもう閉めたんですが」とやって来た。私が「明日朝早く高野山に行きたいので、結露のしない屋根のあるとこで寝たいのです。結露すると乾かすのに時間がかかるので」と説明したら、わかってくれた。更に、「キャンプ場の水道とトイレ使って下さい」とまで言って頂けた。ありがたや！

　昨夜、4時までネットサーフィンしてしもた。だって、他の人の日本一周や世界一周ブログ面白いんだもん。ばってんおバカ！

　頭フラフラ状態で奈良観光。雨が降っとるけん、徒歩。

　東大寺は木造建築としては世界最大の規模なんじゃねえ。中学の時に修学旅行で来たと思うげっちょ、全然覚えてねがったない。


　鹿がほんとにあちこちにいた。県庁の縁石ベロベロベロベロ舐めてた。粉塵おいしいの？


　寝不足で、観光気分にあまりならない上に、やっぱり歩くと足が痛くなるので、夕方前に宿に戻って昼寝した。
　昼寝後、雨が止んだので自転車で買い物に行った。俺は一体奈良に何しにきたっちゃ…。だがしかしhoweverじゃけど、奈良は見所があり過ぎて、自転車旅行でちょいと寄っただけじゃあ、全て回りきれんぞな。本腰入れて一週間くらい滞在せんとくん。そんくらい凄い所だで、奈良様は。
　されどなれどbutけんど、修学旅行では京都からの日帰りだったり、外人連中は京都に入り浸りだったりで、奈良は京都の影に隠れとっちゃ。地味。でもそこが良い。人も京都大阪より柔らかい。京都は…………うんこたれ。
　またきっと来るよ。今度は歴史や建築物の見方を学んでから。


　夜、宿のオーナーと原発や政治や社会情勢の話をした。この方も怒っとったな。まあ怒って当たり前やねえ。現状日本はうんこたれてるもんな。
　話の結論は、「日本は今変わらなければならない」ということに落ち着いた。日本はこの機を逃したら、ほんまに終わるがよ…。