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素浪人の生存報告

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98日目 9/14 富山市

 富山市街地。携帯屋で携帯電話とipadの充電をしてもらったり、本屋でぶらぶらしたり、喫茶店で昼飯食ってからスポーツ新聞読んだり…
 昼食後は鉱泉で二時間程時間を潰し、駅前地下駐輪場に自転車を置き、喫茶店でブログを書き、吉野屋で晩飯に牛鍋丼を喰らい、本屋で再び立ち読み。

 高速バスが22:30発なのに、居酒屋以外の店は21時台に閉まってしまうので困った。仕方ないので外のベンチで…少々肌寒い。冬になったら高速バス待ちの人はどげんしたらよかとね。ま、ベンチに座ってipadで遊んでたら地元のお兄さんに声をかけられて暇潰せたから良かったけれど。

97日目 9/13 井波町〜富山市


井波町観光。↑こんな木彫り屋さんが沢山ある。


酒蔵の看板も木彫り。かっこいい。

 富山市が意外に近いことが分かったので、行くことにした。快適なやや下りの道、不快なアップダウン(主にアップ)の道を越え、ロードサイド店が立ち並ぶ都会に入った。すき家で牛丼並盛りを二杯食べた。

 夕方になる前に国道沿いの温泉に入ったらお客さんが少なく、かなりゆったりとくつろげた。贅沢やねえ。
 ぶらぶらっと暇つぶしをした後、漫画喫茶に12時間コース1580円で入った。漫画よみたいだす!
 漫画に熱中してブログを書く時間を失い、睡眠時間も少し削ってもた。読み始めると止められないのよねえ。

96日目 9/12 井波町〜五箇山〜井波町

 屋根の下にテントを張ったのは大正解だった。夜中に雨がざんざん降った。雨音でよう眠れんかった。

 朝、道の駅の前に住んでいる元製薬会社の社長さんや、道の駅に来ていた地元のご夫婦や、道の駅の店員さんと話したり応援されたりして、心ホカホカで五箇山へ向け出発。日本人の皆さんは親切だわあ。

 井波から8キロ程で「越中の小京都」の城端(じょうはな)に着いた。蔵や石畳の道が綺麗だ。しかも、観光客が少なくて落ち着く。和菓子屋さんで絹入りのシルクソフトクリームを食べた。うめがった。
 城端市街を出て山道にさしかからんとした時、私を追い越した軽トラが路肩に止まった。運転席からおじいさんが出て来た。
「何処に行かれる?」
『五箇山ですう』
「この先は凄い山道で大変や。乗っていかれ」

 いよっしゃあ!ラッキー!有り難く軽トラの荷台に自転車と荷物を乗せさせて頂き、私は助手席へ。
 道はすぐに結構急な上り坂になった。こりゃ確かに、漕いで上るのは難儀や。おじいさんに救われたわ。
 車内でおじいさんは「あんた25,6やろ」と言ってくれた。旅に出て初めて正しい年齢を推定されたぜ…

 寄り道コースで、湧き水を汲んだり、栃の実を拾ったりした。栃の実は餅にすると金になるらしい。
 おじいさんは世界遺産の相倉(あいのくら)集落の手前まで乗せてくれた。ありがたやありがたや〜。


 さて、初合掌造。山の合間に部落があり、斜面は棚田で、わずかな平地に合掌造が集まっている。隣の家の家計もわかるくらいの付き合いなんだろうな〜、と思う位の閉ざされた空間だ。
 相倉から少し離れた、五箇山のもう一つの世界遺産、菅沼集落にも行った。こちらは斜面の上から写真が撮れた。



 ま、外から見る分には「こんなもんか」といった感じだ。合掌造の真髄は機能性にあるのだろうから、実際に人が住んでいる家の中に入らないと感動は味わえんやろ。
 
 疲れているので井波に戻ることにした。帰りは下りやろ。と、思いきや、上りもあるがね。わしの嫌いなアップダウンやないけ。はあ。
 上りをしゃこしゃこ漕いどると、農産物直売所の横で小さな男の子に声をかけられた。
「お茶ありますよ」
 おお、ありがとう、と湧き水でお茶が冷やされているコーナーに連れていかれると、
「お茶は150円、オレンジジュースも150円です」だと。
 しっかりしとるやないけ。『僕お金ないんだよ』と言うと、「水汲んで行かれ」やて。そして、汗をかいている私を見て、「顔洗われ」やて。人なつっこい子やのぉ。かわええ。小学二年生。
 私が、『(いつも持ち歩いている)お米が切れた』という話をしたら、「うちのお米分けてあげる」と、直売所のすぐ近くの家に連れて行ってくれた。家の中では少年のおじいちゃんがくつろいでいたが…アイスと炊いたご飯をもらって遠慮なく食べた。少年自らお椀にご飯をよそってくれ、「今までこんなに親切な人いなかったでしょ」だって。ほんとに可愛い子だね。
 外で少年と記念撮影をして、お別れ。「また会おうね」と寂しそうな顔で言う少年が、またかわいかった。

 帰りは、行きにおじいさんに送ってもらったのと違う道を選んだら、井波まで終始アップダウンだった。ファック!

 井波に着いてから、昨日と同じ温泉に入り、昨日と同じスーパーで飯を仕入れ、昨日と同じ屋根の下にテントを張った。そしたら昨日と同じく、雨が降ってよく眠れない…

95日目 9/11 高岡市~南砺市井波

 朝、氷見の漁港まで行って刺身定食を食べる。1100円。三食賄える値段だな。
 14日に富山から高速バスで埼玉へ一時帰国せねばならないので、派手に移動出来ない。だから、富山県内の五箇山(合掌造世界遺産)まで小旅行に出ることにした。大学の頃にも行ったことがあるのだが、合掌造集落の手前で、バスを待つのが面倒臭くなり引き返してしまった。あれには少し悔いが残っていたのだ。

 しかしどうやら旅の疲れが今日出た様で脚の回転が悪いので(昨日一昨日は何ともなかった)、2日かけて行くことにした。
 ゆっくり漕いで井波町へ。木彫りと信仰の町らしい。木工品屋さんがずらーっと並んでいる。一体何十軒あるのだろう。このご時世で、果たして木地師さん達は飯を食っていけているのだろうか。
 へとへとになりながら井波の道の駅に辿り着いた。道の駅内の木彫り屋さんが空いていたので、入って見てみた。凄まじかった。精巧さは元より、人間の像の表情が、まるで生きているかの様だった。北海道では、アイヌの木彫りも素晴らしいと思ったが、こちらもまた…

 道の駅に隣接している木彫り品展示館の入り口に屋根があるので、雨を警戒してそこにテントを張った。

走行距離60キロ

94日目 9/10 入善町〜高岡市

 ipadインターネッツで夜更かししちゃったので、今朝はいつも以上にだらだらしたら、キャンプ場を出る前に12時になった。ま、どうせ今日はなにも予定がないから良いのだ。進まない日があっても良かろ。


 が、結局じっとできなくて、サイクリングロードをすいすい漕いでしまった。六年前に初めての一人旅行で出かけた雨晴海岸へ行くことにした。地図によると雨晴海岸には無料のキャンプ場がある。


 富山の景色は、東日本旅で見て来たものとは、どこか違う。何が違うのかよく分からないが、何となく違う。
 ただ、山形の庄内地方と少し似ているような気もする。日本海と、たんぼと、山と、北日本の田舎でお馴染みの疲弊感が無い町。耕作放棄地もない。多分、暮らしている人達が豊かなんだろうなぁ。富山県は、一世帯当たりの貯蓄高もかなり高い方だった様な気がする。
 という訳で、越中の印象は良い。冬は雪がきついんだろうけど、暮らしやすそうだなあ。人口は少ない割に、意外と外を歩いている人を見かけるし(北日本は……)、治安もすこぶる良さそうだし。人々の雰囲気も、東北や首都圏と比べると明るい。越中いいな…気に入った。

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本多
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男性
職業:
素浪人
自己紹介:
旅烏になり申す。

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