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素浪人の生存報告

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75日目 7/28 岩泉町〜宮古市


 今回もよく眠れた。いがったいがった。


 さて龍泉洞。洞窟内の気温は14.8度と、汗に濡れた半袖短パン姿の私にはお寒うござんす。

  


 龍泉洞は、日本の三大鍾乳洞の一つらしいが、まあこんなもんかって感じ。地下水がドバドバ流れているのは面白かったが、鍾乳洞自体には特に惹かれなった。興味深げに歩いている観光客もいなかった。


 昨日の登り坂が祟ったらしく、腰を痛めた。あべし。自転車押しっ放しだったからな。
 されど、国道45号には、今日も平坦な場所がない。私は、三陸の道を、北海道南部の路側帯なし、トンネル・トラック多しの道に続き、第二の「鬼畜道」としてここに認定致します。こげんとこチャリンコで来るもんやなか。


 今日は明るい内に目的地・宮古市に着いた。
 交番で道を聞いて銭湯に入り、スーパーでくつろぎ、寝床求め道の駅に着いた頃には暗くなっていたが、今日の道の駅は素晴らしい。埼玉なら一戸建てが100戸建ちそうな程に芝生の敷地があり、「ここで寝て下さい」と言わんばかりだ。海に面しており、夜釣りをしている人が沢山いて雰囲気も良い。

 テントを張り、アルコールと歯ブラシを仕入れに市街地まで行って戻ったら、新手のテントがあった。テントの脇でご夫婦が食事を取っている。私のテントからは40mくらい離れているが、一応お隣さんなので『こんばんは』と挨拶したら、いつもの「何処から→埼玉自転車」から話が進んだ。ご夫婦は岩手出身だが現在は私と同じくさいたま市在住で、今回は奥さんの実家に車で来たとのこと。
 ご夫婦が食料を買い込み過ぎたということで、おこぼれを頂いた。私は腹は減っていなかったのだが、おこぼれが鰻だったので頂戴した。汗をかくと体から流出してしまう亜鉛が、鰻には多く含まれているらしいから。
 私が『三陸海岸はきついから盛岡に逃げる』と話したら、「盛岡に行くのも登りだから大変だ」と言われた。そう、地図を見ると、峠があるんだよなあ。それも、周りの山の標高が900mを超えているのが気にかかる。自転車ごとヒッチハイクで行きたい。


走行距離73キロ

74日目 7/27 久慈市〜岩泉町

 とうとうテントで熟睡出来た。旅に出て74日目…やっっと慣れたか。
 今日は以前家族旅行で岩手に来た時に観られなかった龍泉洞を目指す。何やら知らんが綺麗らしい。

あじさいが鮮やか


 まずは、久慈市内の小袖海岸沿いの道が「美しい磯のドライブウェー」と地図に書いてあるので行ってみる。

崖に咲くユリ

 ごつい岩と澄んだ海。なかなかきれいだ。少なくとも、新潟の笹川流れよりはマシだ。でも短い。すぐに道は山の中に…
 恐山に続いて本州の洗礼を受ける。登り坂は本当に嫌よ。私はママチャリ旅人の様な真性のマゾヒストではないのよ。
 海岸なんてほんの少しで殆ど山じゃねーか。何が美しい磯のドライブウェーだ。「美しすぎる海女」に会えるかと期待した海女センターは閉まってるし…。こんな道には入らなければ良かった、と思っても後の祭り。えーん。
 やっと頂上に着いたと思ったら、道が分かれていてどっちに行きゃあいいかわからねえ。ボケ!カス!第一村人を発見出来たから道を聞けて良かったけどよー。

 小袖海岸を離れ、野田村(町かも。どっちでもいーや)の道の駅で休憩しようとしたら、道の駅の中にベンチがない。表にはベンチがあるが、こんなクソ暑いのに日向ぼっこするバカがどこにいるってえんだ。こういう道の駅の経営者が何考えてんのかわからねえ。商売してえんだかしたくねえんだか、どっちなんでえ!屋内に休憩所を設けりゃ、客はジュースなりアイスなりで金を落とすだろーがよ。
 ま、道の駅とくっついてる鉄道駅の駅舎で休憩出来たから許してやるけどよ。今日の昼飯はポテトチップスとカロリーメイトでえ。カロリーメイトは、食欲の沸かない昨今の俺には最良の飯だぁね。


 クソ暑い中出発。三陸海岸の主要道・国道45号を行く。もう、地図に書いてある海沿いの景勝地は無視。辛い思いをしながらも景色を楽しめるような心のゆとりや前向きさは、私にはない。自慢ではないが、私は世界でもっとも気力のない日本一周チャリダーなのだ。無視した地点に悔いは残るが、いつか車で来る。
 国道から、龍泉洞への道へ折れると、またもや登り坂が待っていた。今日は坂に苦労させられる。三陸は噂通り坂だらけだ。きつい…

  
坂の途中で遭遇した石割桜。石ば割って咲く桜は盛岡だけにある訳じゃないのか。岩手の桜は元気だの。

 やっとの思いで峠を越え、御褒美の下りだ!と思った矢先、道路が工事中で砂利道になった。最後にこの仕打ちか!
 パンクが怖いし、サスが付いていないから、未舗装区間でスピードなど出せる訳がない。ずーっとブレーキを掛けながら下るしかねえ。下りを前傾姿勢でブレーキかけながらゆっくり進むのはすごく疲れるのよ。既に登りで疲れてるのにさ!
 おまけに、車が通ると砂埃が立つ。すると荷台の洗濯物が汚れる。もう最悪だ。今日は何一つ良いことが無かった。嫌な一日だ。

 最悪の下り道を抜けて龍泉洞に着いたら、営業時間終了。はいはい。想定内です。18時過ぎましたもんね。はいはい。おとなしく温泉に入って、少し離れた道の駅へ向かうことにしますよ。
 岩泉町のメインストリートに出て、第一町人のお兄さんに、『食料品売ってる店はないですか』と聞いたら、いつもの「何所から?→埼玉日本一周」の流れになり、立ち話をし、そのおにいさんも自転車に乗る人ということが判明し、私のチャリンコの空気圧を測って空気を入れてくれた。更に、温泉の回数券を譲ってくれた。一日の最後に良い事があった!
 余談だが、お兄さんと待ち合わせしていたおじさんに、「高校生?」と聞かれた。とうとう来ましたよ、高校生コール…。話の種になるから良いけどさ。

 温泉に入り、小さなスーパーで買い物をし、足下が見えない暗さの中、6キロくらい先の道の駅へ向かう。道の曲がり具合も路面のでこぼこも見えないから怖い。後ろから車が来て先を照らしてくれると助かるのだが、正面から車が来ると、逆光で何も見えなくなる。夜間走行はいかんね。最近かなり増えてるけど。

 道の駅へ着いて、寝床探しをうろちょろやって、本日の寝床を道の駅にくっついている野球場の外野芝生席に決定。テントを張った。野球好きとしては嬉しい寝床だ。


走行距離73キロ

73日目 7/26 八戸市〜岩手県久慈市

『大変お世話になりました、ありがとうございました』
「気を付けて。それだけ。」
 と、コナンさんから格好良い送り方をされて出発。今日の目的地は岩手県久慈市。

 八戸市に「種差海岸」という景勝地がある。司馬遼太郎に「もし私が異星人に地球の美しい所を案内するなら、種差海岸を選ぶ」だかなんだかと褒められた所だ。それがしも、一度見てみんとす。



 私の貧しい感性では、さして美しいとも感じられなかったが、海の真ん前に天然芝が広がる不思議な光景だった。


 海沿いを漕いでいたら、いつの間に岩手県に入ってしまっていた。県境にある「岩手県」の看板を撮り損ねた。fuck.
 東京に近付いた証か、青森よりも文明の匂いを感じる。海沿いの田舎町にもスーパーがある。


 久慈市に入るともう都会だ。お馴染みのロードサイド店が並んでいる。ケーズでんき、ヤマダ、しまむら、すき家、ゲオ、携帯電話屋…。暇潰しには事欠かない。

 夕方、山を2キロくらい登って温泉に行くも、看板がなくてわかり辛い。商売っ気がないなぁ。岩手らしい。
 露天風呂に入ると、地元のじっちゃんが「このへんは熊が出る」と話していた。ここで野宿は無理だ。

 温泉から出たらもう外は暗い。今宵の宿はまだ決まっていない。いかんなあ、本州に戻ってから、夜道を走ることが多くなっている。
 とりあえず道の駅に向かったらスーパーがあったので、半額のものを買い漁って晩飯とした。



 道の駅にはテントを張れそうな場所がない。色々悩んだが、「第二駐車場」という所に行ってみたら、広い駐車場に加え、芝生があった。これにて一件落着。


走行距離84キロ

72日目 7/25 八戸市滞在

 コナンさんのご好意でもう一泊させて頂く事に。今日は、昨日の居酒屋のマスターとシーカヤック(海のカヌー)をするということでれっつらごー。



 私のとっての人生初のカヌーが海。珍しい体験やね。視線とかなり近い高さに海(八戸港)がある。港内を船が通ると、結構揺れる。
 船にぶつからないようにするのが少し恐かったが、水の上にプカプカ浮かぶのは結構楽しいものだ。青空だし・・・
 が、海から上がって雑談していると、来ました。下痢雨です!あっという間に道路が水まみれ。海に浮かんでいる時にこの雨が来てたら、死んでたね。本日もタイミングよろしです。


 下痢雨はすぐに止み、コナンさんに、お薦めの食事処に連れて行ってもらった。
 ↓この景色を眺めながら


 頂く「磯ラーメン」。なまら旨い。我がラーメンランキングベスト3に入ったね。海の幸だらけの非常に贅沢なラーメン。栄養不足の私にぴったり。コナンさんには昨日からご馳走になってばかりで恐縮・・・。





 ↓コナンさんの家で読ませてもらった、7年間自転車で世界一周の旅をした人の本。


 4000mの山を自転車で登ったというのに驚いた。100mでヒイヒイ言ってる私には絶対無理・・・。私は細々、だらだらと、なるべく苦労せずにやります。

71日目 7/24 六戸町〜八戸市

 雨と雷の音で安眠出来ず。朝になっても雨は降ったり止んだり。
 開店前の道の駅で雨宿りをしていると、昨日のとっつぁんの奥さんがおにぎりと漬物を持って来て下さった。ありがとうございます。



 道の駅開店後に食べた芋餅。うめがんした。


 今日は隣の八戸市止まりだ。距離は稼がない。
 イオンの下田ショッピングセンターの本屋で漫画を二時間くらい立ち読みした。怠ける日です。動きません。外は暑いです。

 その後、八戸市の八食センターという、海産物やお土産品が大量に集まる素晴らしい一般向け市場でウィンドウショッピング(?)をしてから、市内へ向けちょっと進んで、歩道で地図を見ていると、
「何処へ行くんですか?」
 と自転車に乗ったお兄さんに声をかけられた。
『下痢雨が怖いので、図書館(の軒下)にテント張って寝ようかと思って』
 と言い、いつも通り「埼玉から日本一周」自己紹介をしたら、お兄さんが
「うちに泊まる?」
 とおっしゃったので、私は喰いついた!下痢雨を恐れながら市街地でテントを張って寝るのと、家の中で寝るのとでは天と地程の差がある。かなり嬉しい。わあい。
 このお兄さん(以下「コナンさん」)も東京から山形の実家まで自転車で旅したり、カヌーをしたり、アウトドア好きの人で、チャリンコ旅人を見ると声をかけるようにしているらしい。また良い人に拾われた。

 コナンさんはこれから彼女の勤める喫茶店に行くところだったということなので、浮浪者の私も着いて行った。
 涼しい店内でパフェを食べてくつろぎ、コナンさん(山形)・彼女(八戸)・店員さん(岩手県宮古・沖縄の血も入っている)と、旅や県民性についておしゃべりした。岩手県は方言が薄く、車の運転がおっとりしているらしい。そして沖縄はちゃらんぽらんな若者が多くて治安が悪いらしい。

 途中からコナンさんの友達のけんちゃん(八戸)も来店し、コナンさん、けんちゃんと、コナンさんの知り合いが経営する居酒屋へ。コナンさんの彼女も喫茶店を閉めてから合流。
 八戸のまちづくりやら、洋菓子やら、デジタル製品やら、日本の女は外人にモテる話やら、色々と盛り上がった。
 会ったばかりの人と楽しい時間を共有する事、これぞまさしく旅の醍醐味。

 この出会いは、もし何処かの信号を一つ早く通過したり、私の漫画を読む速度が少しでも遅かったりしていたら、無かったものだ。このタイミングでしか無かった出会い。
 それを偶然と呼ぼうが、必然と呼ぼうが、どうでもいい。ただ私達が出会ったという事実がここにある。乾杯。


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プロフィール

HN:
本多
性別:
男性
職業:
素浪人
自己紹介:
旅烏になり申す。

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