素浪人の生存報告

　今日からはしばらく雨が降らない予報。出発だぜ。

　自分がどこにいるのかわからなくなりそうな、都市郊外・国道・ロードサイド店の景色を通る。ここは金沢？郡山？前橋？川越？仙台？盛岡？長野？富山？
　今の所、地方都市郊外の国道沿いは、何処も同じ眺めだ。手軽に買い物が出来て凄く便利なのだけど、何とも面白味がない。まあ、旅に出る前から知ってたけどな。


　国道を離れ、サイクリングロードに入ろうとした時、とうとうパンクした。あーあ、これで今日一日はおしまいだ、と思った。復旧に数時間かかるだろう、と。
　タイヤからチューブを引っ張り出す方法すら忘れてしまったので、自転車メンテナンス本を見ながら復旧作業を行った。チューブを出し、パンク箇所に接着剤を塗り、乾いたらシールを張り、チューブをタイヤにしまい、空気を入れ、タイヤを自転車にセットする。そして荷物を取り付ける。
　2時間かかった。パンクの原因は、ネジだった。タイヤにズボッと突き刺さり、その上チューブを貫通、リムまで傷付けていた。走っていて異音には気付いていたのだが、怠慢こいて点検しなかったから傷が広がったのだな。でも自業自得ではない。ネジを落とした奴が悪い。そいつ死刑！

　少し走ったらまた異音。後輪を見ると、へこんでいる。はあ…。私の処置が悪かったか、またパンクか。
　私のことをよくご存知の方はおわかりになるだろうが、私の処置が悪かった。自分、不器用ですから。
　接着剤とシールの扱いが悪かった。接着剤とシールを塗り貼りしている時から知ってたけど。雑で下手な仕事をしたからな。
　仕方がないので、チューブを予備の物に替えた。これで安心…出来ない。タイヤの側面が傷んで割れている所がある。山もなくなったし、もう寿命なのね。たかだか2000キロ程度しか走ってないのにな。パナソニック使えねーな。ドイツ製のタイヤ使ってみたいな。
　今回の作業には一時間。

　大体いつもそんなにやる気のない私だが、今日は完全に進む気を失ったので、近くのキャンプ場に寝ることにした。本当は東尋坊まで行く予定だったのだが、まあいい。日の落ちない内から、人目を気にせず堂々とテントを張れるのだ。実に気楽だ。

　てな訳で、テント内でゆっくり読書も出来てリラックス。出来れば毎日キャンプ場に泊まりたいね。