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素浪人の生存報告

カテゴリー「旅 II 蝦夷地〜東北太平洋」の記事一覧

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58日目 7/11  千歳市滞在

 URA君ちに連泊させてもらう。彼が仕事から帰るのをいそいそと待ちながら、お夕飯を作ったわ☆今晩は手抜きなしの中華丼よン

 スーパーに夕飯の買い物をしにチャリンコを漕いでいたら、えもいわれぬ安心感を覚えた。「家」という最高の宿が既に決まっていて、ゆっくりと晩の支度が出来る。良いなあ。


 明日はURA君が早番なので、夜中の2時過ぎまでゲームをした。

57日目 7/10  新ひだか町静内~千歳市

 雨じゃ。愛の巣でかなりくつろがせて頂いた。朝ご飯に加え、昼ご飯を二回…更におにぎりまで持たせてくれた。
 そして、静内駅まで自転車ごと車で運んで頂いた。苫小牧まで輪行じゃ。今晩は千歳のURA君と再会し、晩飯を共に食べるのだ。
 Kさん夫妻にも大変お世話になった。赤ちゃんがお腹にいるとのことなので、無事生まれると良いなあ。僕が出世したら恩返しします。


 苫小牧まで、携帯でブログを打ちながら過ごした。二時間弱乗っていたか?大量の荷物を抱えていたので、空いていて助かったわ。

 苫小牧駅で、よっこらせと荷物を外まで運んで、二時間弱、仕事帰りのURA君を待った。またもや迎えに来てもらって済まない。
 URA君とは1ヶ月ぶりの再会だ。1ヶ月は早かったね。
 千歳のCoCo壱で納豆カレー大盛りを食べた。なかなかいけるな。食べ終えたら0時になった。

 その後、URA君ちで朝五時過ぎまでゲームをやった…

56日目 7/9  日高町~新ひだか町静内

 図書館に寝たので早く起きた。というか、道路を通ったり、道の駅に出入りしたりするトラックの音がうるさくてよく眠れなかった。

 早起きしたのでのんびり行く。いつものことだが、これといって見所がない。流す。


 平取町(びらとり)という所にアイヌの資料館があるので入った。有料だが…やむを得ない。
 中にはアイヌの生活道具が多数展示されていた。道内では、よく土産物としてアイヌの美しい木工作品が売られているのだが、この資料館の説明によると、アイヌの男は好きな女性に手作りのアクセサリーを贈り、女性が相手の男を受け入れる時はそのアクセサリーを身に付ける、という習慣があるらしい。確か、ウェールズにも、男が女に手作りスプーンを贈ってプロポーズする習慣がある。そういえば、ケンシロウもユリアの像を彫っていた…
 一つ一つの説明書きを読んでいたら一時間以上経った。ただし、説明の内容は片っ端から忘れていった。
 資料館の外に出て、土産物屋兼喫茶店に入ったら、おばちゃん・おばあちゃんが3人いた。多分アイヌだ。店主?のおばちゃんに、自転車でご苦労さん、とコーヒーをごちそうになった。
 アイヌ式かやぶきの家にも入ってみたら、さっき喫茶店にいたおばちゃんがアイヌ縫い物を実演していた。そこで30分弱は話を聞いたか。
 そんなこんなで、そこを出発したのは13時台。


 国道237号は、狭い上にトラックがばんばん走る嫌な道であります。トラックは威圧感がある上に、すんごくうるさい。横をトラックが通る旅に不快な気分になる。「トラック死ね」「うるせえ馬鹿」と呪いながらチャリを漕ぐ。自転車に乗ってる時も、車に乗ってる時もトラックには腹が立つ。
 そしてトラック以上に腹の立つ車は、バス。対向車が来ていようがいまいが、自転車の近くをよけずにを通っていきやがる。こっちはおとなしく左端を走ってるのに、糞野郎が。ぶつかりそうになったら、車体を蹴飛ばしてやる!あと、生卵持って走りたいな。ふざけた運転する奴等に投げ付けたい。でも、勿体ないから食べちゃうな。


 トラックがうっとうしいので途中で国道を逸れた。すると、サラブレッドの牧場がわんさか出てきた。おうまさん達は、私の方をじーっと見てくる。面白い。自転車が珍しいのかな。

 のんびりしていたら、静内に向かうのが遅れてしまった。
 海に近づくと、霧が出ていて嫌な感じだ。雨降るなよ。
 海沿いの国道を東へ向かう。結構なアップダウンが続く。しかも、途中から歩道と路側帯が消え、霧で視界不良、更にトラックが多いという、比類無き最悪の道になった。今まで旅してきた中で、嫌な道ダントツ一位に君臨だ。酷すぎる。道路行政が悪い。自転車いじめだ。苦痛だ。ばかだあほだ。明日はこの道を西へ引き返さなければならないと思うと、かなり気が重い。輪行しようかなあ。

 新冠(にいかっぷ)という村に入ったら路側帯が復活した。ここの温泉で汚れを落としてから女Kさん宅に行くのだ。
 温泉の看板に向かって左折したら結構な坂道が待っていた。押して歩く。坂が急すぎて押し切れず、自転車を倒した。最後にこの仕打ちかよ!いじめだー

 温泉で垢を落として、女Kさんの住む静内へ。静内に入ったら歩道が付いた。ロードサイド店も沢山ある。かなりの都会だ。
 女Kさんがおうちの近くのコンビニで待っていてくれた。一昨年の5月に長野県でwwoofをした時に知り合った、私の友人の中でも指折りの親切な人だ。職業は幼稚園の先生。

 申し訳ないが、新婚さんのお宅に転がり込んだ。そして居酒屋に連れて行ってもらった。
 旦那さんは元々山梨の人で、北海道には小学校の先生として就職で来たらしい。大学時代はサイクリング部で、色々回った様だ。日本の地理にも詳しい。

 まともな食事をごちそうになり、1週間ぶりの布団で眠らせて頂いた。

55日目 7/8  新得町~日高町

 相変わらず朝日は雲の中だ。太陽がまた輝く時はいつなんだ。

 ただ、峠から降りてくる車に水滴は付いていない。峠に雨は降っていない様だ。
 安心して狩勝峠を登る。標高は644mと、北海道の峠の中では高いが方だ、噂通り、大した勾配ではない。知床峠と阿寒横断道より楽だ。
 でも、大嫌いな雨ちゃんが降ってきました~。しかし、幸い雨が降り始めた頃トンネルの近くにいたので、知床峠の時のように、ぐっちゃぐっちゃのずぶずぶ濡れにはならずに済んだ。
 トンネルの出口付近の歩道で雨宿りをしていたら、降りは弱まった。ただ完全に止みそうにはないので、雨具を着て出発。
 トンネルからさほど登らずに頂上に着いた。展望台があるが、霧で何も見えないので素通りだ。気を付けながら下る。

 寒い。下ってから最初の集落の売店でカップラーメンを買って食べた。体は温まり、雨は止み、日光も薄く差してきてくれた。出発。
 大した峠ではないと言いつつも、体力をかなり使ってしまった。大したこと無かったのは、私の体力だ。まだまだ本日の予定行路の半分にも達していないのに。 明日は静内に住む友人、新婚のKさん(Kさんだらけやな…。このKさんは女性なので「女Kさん」)宅に泊めて頂くので、今日は結構頑張らねばならないのだ。
 日高町へ向かう。いきなり登りで気分が萎える。疲れたよぅ。

 疲れながらもアップダウンを乗り切り、500mの日高峠を登り(短くて緩かった)、日高町に着いた。

 まずは道の駅を視察するも、落ち着いて眠れそうな場所がない。次に、道の駅近くのキャンプ場に行ってみたが、小学生がキャンプファイア~を囲んで踊っている。あかん。
 とりあえず、温浴施設で温泉に入りつつ、コインランドリーで洗濯をした。そして道の駅へ戻った。
 相変わらず落ち着いて眠れそうな場所がないので、道の駅の裏にある図書館の入り口の軒下にテントを張ることにした。雨天に備えて、自転車は屋根の下に置きたい。
 図書館で寝るというアイデアは、羽幌町でIさんと共に公共施設の軒下にテントを張って寝たのが活きたものだ。段々図太くなっていくのだ。

54日目 7/7  帯広市~新得町

 朝起きたら9時台だった。随分ゆっくり寝たもんだ。
 今日は甘いもの食い道楽の日だ。私が帯広に来た理由、それは六かていのサクサクパイ!富良野のライダーハウスで一緒になったライダーから聞いた、賞味期限3時間の、帯広店限定のお菓子だ。旅に出てからすっかり甘党になった私としては、それを食わぬ手はない。

 まずは駅ビルの物産展で小手調べがてらソフトクリームを食べた。ふむ。興部のソフトクリームには当然及ばぬ。仕方がない、興部のはソフトクリームで表現し得る美味しさの限界に挑戦したものなのだから。
 物産展の横の観光案内所のような所で「スイーツチケット」を買った。これは、500円で5枚つづりになっており、1枚につき、この企画に参加している帯広中心街の菓子屋やパン屋の商品と引き換え出来る物だ。お得っぺえ。

 まずは六花亭本店へ。看板がと出ている訳でもなく、目立たないので一度通り過ぎてしまった。入り口は黒い石(大理石?)と植栽があり、高級感のある外観だ。銀座にあっても違和感がない。
 私は貧乏くさい格好なので気圧されながら店内に入ると、お客さんが沢山いた。広い。少なくとも140平方メートル以上(実家が約70だから…)あるぞ。お菓子屋さん的なショウケース?ショウウィンドウ?(なんつーの、あれ?)がずらっとつながっているし、壁際の棚にもお菓子屋があるし、ワゴンも、冷蔵ワゴン(なんつーの、あれ?)も…。六花亭の全商品がここに集結しているに違えねえ。
 お菓子がありすぎて、サクサクパイがどこにあるのかわからないので店員さんに聞いて、サクサクパイのあるショーケースに辿り着いた。ショーケースの内側には私と同じくらいの年と見受けられる女性の店員さんがいる。
「いらっしゃいませ」
『サクサクパイ…3つ下さい』
「はい、ありがとうございます。店内でお召し上がりですか?」
『はい。帯広にはこの為だけに来ました』
「ありがとうございます。嬉しいです」

 という訳で頂きます。六花亭本店には、二階に喫茶店もあるのだけれど、一階にも店内で買った物用の立ち食いテーブルがあり、しかも無料でコーヒーが飲めるのだ。すげえぜ六花亭。 サクッとしたパイ生地の中に、カスタードクリームと生クリームの間のようなクリームが入っております。脂っこくもしつこくもないから、サクパクいけるぜ。スターバックスコーヒーのマイナス200倍くらい美味い、とても無料とは思えぬ味のコーヒー(マイナスにマイナスを掛けると…)と共に、三本頂きました。同席した道産子のおばちゃん達に「美味いか?」と聞かれたので『東京じゃ食えませんね』と言っておいた。
 店内には、サクサクパイの他に、ショートケーキなども100円台で売っていて垂涎。今まで六花亭のお菓子はマルセイバターサンドとチョコくらいしか食べたことがなかったが、全商品を食べ尽くしてみたいぜ!
 店内には店員さんも沢山いて、よく働いていらっしゃる。北海道にあるまじき丁寧な接客。教育がしっかりしとるな。人件費をけちらない会社は好きだよ(給料知らんけど)。六花亭には、かなりの好印象を抱いた。


 その後、スイーツチケットを利用し、芋タルト、ジェラート、チーズたい焼き、ふつうの(?)お菓子二種を食べた。今日の昼飯はお菓子だ。
 帯広はお菓子が旨くて良い町だな。また来たいな。と思いながら出発したのは16:53。遅すぎる。


 今日は帯広から40km程度先の新得町に泊まる。情報誌によると、新得駅前に無料のライダーハウスがあるのだ。今日は走行距離を短めにし、明日は、避けては通れない狩勝峠を越える。
 空が暗く曇っているので、降るなよ~と願いながら焦って漕ぐ。40kmなど全く大した距離ではないのだが、早く着きたいと思っているから、却って長く感じる。じゃあもっと早く出発しれ。

 ま、なんとか新得駅前に着き、銭湯に入り、無人のプレハブライダーハウスに上がり込んだ。宿帳が置いてあるが、毎日宿泊者がいる訳ではない様だ。
 誰もいないのを良いことに、自転車もプレハブの中に入れた。すると、霧雨が降ってきたので、これは正解だった。

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本多
性別:
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素浪人
自己紹介:
旅烏になり申す。

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