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素浪人の生存報告

カテゴリー「旅 I 埼玉〜津軽」の記事一覧

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十八日目 5/23 深浦町~弘前市 ( 1)

へなし駅は、テントよりかなり眠れた。硬くて体が凝ったが、眠れないよりましだ。
昨日の店のおばちゃんに挨拶しに行き、不老不死温泉に行くので、自転車を置かせて下さいと頼んだ。快諾してくれた。昨日は、不老不死温泉に入れなくて傷ついた心で、駅へのきつい坂を孤独に上ったのだ。

さて、温泉は確かに海に入っている様な感じだった。目の高さに海がある。縁をまたげば海に入れる。漁師さん達から私の貧弱なBODYが丸見えだ。夕方に入ったら最高だろうなぁ…。

優雅に朝風呂を楽しんだ(600円、2食を賄える値段だった)。今日は、とりあえず鰺ヶ沢(あじがさわ)を目指す。5/30に家族で長野県に借りている棚田で田植えがあるので、一時帰玉せねばらならない(かえたま…埼玉県に帰ること。ぺぽぷ辞典)。鰺ヶ沢町の隣の弘前市から東京に高速バスが出ているので、旅に出る前から、それで帰玉するつもりだった。
30日までには日数があるが、天気予報によると、今週は雨が続く様なので、早めに帰玉することをここ数日間想定していた。東京は日本の交通網の中心地なので、何処にいても戻るのには不自由しない。融通が利いて良い。

昨日の朝で米とガスが尽きて、兵糧がない。どこかで仕入れなければならない。

十七日目 5/22 大潟村~青森県深浦町

どんなに体が疲れていても、テントで寝ると、どうしても風や車の音が気になって眠れない。横になってから、ずーっとレム睡眠で寝不足だ。準備撤収に時間がかかるし、テントはいやだ!

しかし、好天に恵まれた。青森県の日本海側は、これまでの道とは一変して美しい。海が綺麗だ。ずっと続く岩礁が旅情を満たす。こりゃ、五能線は人気がある訳だ。北日本の海岸の中では、五能線沿いが圧倒的に美しいのではあるまいか。
私は、東北地方行脚では、青森県のみを楽しみにしていたのだが、やはり実際に来てみると青森県は良い所だ。気候も経済も厳しい土地だろうが、本州の最果てにこそ宿る美しさや文化がある。みちのく(道の奥、道の苦)の魅力だ。

と、まあ、途中まで旅行気分を楽しんではいたものの、十二湖への山道から辛くなった。
白神山地のあたりに「十二湖」という、池が沢山ある景勝地がある。そこの「青池」という池を見に来たのだが、海岸線の国道から山を登らねばならない。結構えぐい坂だ。汗をかきかき、休みながら1キロちょい自転車を押した。
ふもとから十二湖への中継地点に「アオーネ十二湖」というリゾート地があるので、そこに自転車を置いて、更に歩いて登った(一時間後に青池への無料バスも出るらしいが、待ってられるか!体力のついた俺はゆっくり自然を見ながら歩くんだぜ) 。
バスを待てば良かった。青池まで4キロある…今日はもう登り疲れた。もう嫌だ。

で、なんとか青池まで着いた。ああ、真っ青。今まで見たどの池より神秘的だ。池自体が宇宙だ。光が反射してカメラにはおさめられなかったが、肉眼と双眼鏡で堪能した。こんな所で一日中ぼーっとしていたいな。
疲れたのでアオーネまでの下りは無料バスで。そしてアオーネから海岸線への下りは自転車で。最高速度は56キロ!登りがそれだけきつかったということだ。

今日の目標は、黄金崎不老不死温泉で夕日を見ながら日帰り入浴。山形でも秋田でもすすめられた、評判の温泉だ。海の真ん前に露天風呂があるらしい。十二湖から10キロくらい先だ。疲労困憊の私には近い距離ではない。
それでも何とか着いた。温泉までの道は、時速40キロを超える下りだった。タオルを用意し、さあ入ろうと扉へ近づいた。
「平成19年より、午後16時以降の露天風呂への入浴は宿泊のお客様に限らせて頂きます」
………。ここに入るのを励みに頑張ったのに。
2年前の私であれば、いじけてやけくそになり、先へ進んだかもしれないが、素浪人となった今は、少しは根性がついた様で、明日の朝入ってやる、と切り替えた。
不老不死温泉の最寄りである五能線「へなし駅」の近くの売店に入り、おばちゃんと自転車旅や不老不死や寝床や食料について話した。本日の代替温泉は、近くのみちのく温泉、寝床はへなし駅(夏は結構自転車野郎が来て泊まるらしい)、食料は近くに飲食店がないのでおばちゃん店で菓子パン五個。

みちのく温泉もなかなか良い温泉で、夕焼けを堪能できた。
無人のへなし駅舎には一人掛けベンチが4つ並んでおり、丁度私の身長くらいの長さだった。自転車も駅舎に入れられるし、荷物も置けるし、トイレもある。快適な宿だ。
パンを食って、歯を磨いて、山形で買った酒の残りを飲み干して、寝袋に入り横たわった。寝てから一度、ボトンとベンチから落ちた。

十六日目 5/21 大潟村~八峰( はっぽう) 町

足の具合も昨日より良さそうだし、久し振りに途切れることのない睡眠をとれた。宿の自炊設備でご飯を炊いて食べ、ちんたら準備をして11時10分頃出発。
しかし、忌々しい記憶の大潟村から、なかなか出られない。元は湖なので、陸の孤島という感じがする。雨と怪我の島。閉塞感を覚える。やっと「またどうぞ」という看板が見えた。頭の中で、「二度と来るか!!」と罵った。

国道を北上していると、ラーメン屋の前を通った。濃そうなラーメンだ。塩と油をあまり摂っていないので、食べたい…。だが、今の私にはラーメンなどおやつにしかならない。腹を満たすという観点からだと、ラーメンは費用対効果が低い。幸楽苑があれば…
日頃の行いが良いお陰か、能代市の中心地の手前に幸楽苑があった!しかも、「当店限定 ラーメン半額フェア」の旗が風になびいている。入るしかない!!
味噌野菜ラーメン(\490→\245)で塩分と野菜を補給した。国道は景色がつまらなくて旅には向かないが、時として貧乏な旅人を救うこともあるということを学んだ。

八峰町という町に入り、八森港という港を過ぎて、ようやく見られる景色になった。岩と青い海。ここから先が、噂のJR五能線沿い海岸だ。郡山の下宿のおばさんも絶賛していたし、森崎さんの日本一周本に出てきた東北人も、「日本海はここからが良いんだよ」と言っていた。

今日は青森県の手前の、営業期間外のオートキャンプ場をこっそり無料で拝借★テントを張らせてもらった。

十五日目 5/20 大潟村

大潟村逗留。溜まっていた日記とブログを片付け、民宿に泊まり、洗濯して布団で寝てリフレッシュ!

十四日目 5/19 由利本荘市西目町~大潟村

9時くらいにお寺さんを出発。奥さんが「お金が浮くだろ」とおにぎりを持たせて下さった。ありがとうございます。

つまらない国道を行く。海沿いは国道しかない。きっと内陸の道のほうが面白いはずだが、坂道なので私の体力では無理だろう。
山の道に魅力があるであろう四国と紀伊半島では、交通手段を徒歩に変えようかと今から考えている。

道の駅岩城に入ると、女の子から声を掛けられた。私の反対車線を車で走っていたが、自転車に荷物付けている私を見て、わざわざ引き返して来て声を掛けてくれたそうだ。
彼女は21才で、来年仕事を辞めて自転車で日本一周するつもりで、もう自転車も購入済みらしい。私の他にも、自転車やバイクで日本一周中の人に何度か会ったことがあるそうな。人と話すのが好きで、色んな人との出会いを求めて旅に出るのだ。朗らかな子で、結構自転車の練習をしているらしく、私よりはるかに体力がありそうだった。多分彼女ならば軽く日本一周出来るだろう。
ソフトクリームをおごってもらった…(笑)

旅路へ復帰し、つまらない状態のまま進む。夕方になって雨が降ってきた。道の駅で雨宿りするも、止みそうにないので仕方なく雨に濡れながら行く。
本日の目的地は、八郎潟を干拓して出来た大潟村。雨が降ってきた時点で私がいた位置から20キロくらい先だ。平坦な道で逆風がなければ、丁度時速20キロくらいなのだが、雨でタイヤが進みづらくなっているから、1時間以上かかる。大潟村に近づくと雨足が強くなり、服は完全に濡れる。
橋を渡って何とか大潟村に入るも、気になっていた右の太ももの裏が軽く肉離れを起こしたようで、痛い。そして2004年からの付き合いである右膝の横の靭帯も痛い。雨と肉離れと靭帯炎という、旅に出て以来最悪の状況に見舞われた。おまけに大潟村の道は路側帯も歩道もなく、怖い。

キャンプ場にテントを張って寝ようと思っていたが、この雨では駄目だ。とりあえず道の駅を目指すも、大潟村に入ってから見た道路標識では9キロ先…あと30分かかる。
自分で自分を励ましながら、まっすぐでまるっきり雨宿り出来る場所のない道を行く。辛い。最低の1日だ。

何とか道の駅に着くが、ここにもテントを張れそうな場所はない。参った。
自転車を道の駅に置き、歩いて近辺を探索すると、神社に屋根付きの土俵がある。ここしかない!
神社は留守なので、電話で使用許可を取りろうと思い、道の駅の店員さんに宮司さんの電話番号を教えてもらいに戻った。
若い女性の店員さんは宮司さんの電話番号を知らなかったが、役場に問い合わせてくれた。凄く親切な店員さんだ。そして、役場に聞いた宮司さんの電話番号に店員さん自ら電話をかけてから、私に替わって下さった。宮司さんに事情を説明するが、土俵は宮司さんの管理ではないらしいので、管理者の方の電話番号を教えて頂いた。すると、店員さんが「私からかけた方が良いでしょう」と気を利かせて下さった。本当に親切な方だ。私は何度「すみません」と「ありがとうございます」を言ったかわからない。
無事許可を頂いて、ブルーシートがかかった土俵の上にテントを張った。最悪の日が終わった。

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自己紹介:
旅烏になり申す。

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