48日目 7/1 網走市~標津町
早朝目が覚めたら、歯ブラシが畳の上に転がっていた。寝てる間に歯磨きの唾飲んじゃったんだ…ばっちい。
昨晩食べ過ぎたので、朝ご飯は一膳しか食べなかった。
宿代は、KさんとNさんが私の分を出して下さった。申し訳ない。昨日今日の仲なのに、ありがとうございます。
知床峠への道と、ウトロへの道の分岐点である知床五湖センターまで、宿の人に車で送ってもらった。宿から結構な登り坂があるのだ。チャリダーとしては、ズルだ!
五湖センターに着いても、峠を越えるか否か、まだ決められない…。センターの人に峠と峠の向こうの様子を聞くと、峠は霧で何も見えず、峠の向こうの羅臼町は曇り、峠の道は熊が横断することがあるのでチャリンコのベルを鳴らして下さいとのこと。
悩んだが、この峠を迂回したら、旅を終えた後に悔いが残りそうな気がしたので、越えることにした。峠を越えれば熊の湯がある。
五湖センターの前でたむろしていると、あの女性チャリダーも下からやって来た。彼女はズルをせずにウトロからここまで登って来た。『僕らは男がすたることをしてここまで来たんだよ』と言っておいた。彼女は五湖センターへ入っていった。
私と同じく、知床峠を越えるか迷っていたKさんも越えることにした。今日東京に帰らなければならないNさんと別れ、いざ出発。
五湖センターから頂上までは、11kmの道のりらしい。詳しくはわからんが、600m以上登らなければならない。そんな登りは初めてだ。
当たり前だが、いきなり坂道だ。先は長い。体力を温存しながらゆっくり登る。熊が恐いので、忘れずにベルを鳴らす。
登り始めて間もなく、雨が降ってきた。不精こいて雨具を出さなかったので、荷物が濡れる…。
1km毎に休憩することにした。坂道なので自転車を停めて離れることは出来ないが、立ち止まるだけでも、漕ぎ続けるよりはかなり体力の消耗を抑えられる。それに、1kmずつ残りの距離が減っているのを実感出来る。
峠を登っていると、ナルシシズムとマゾヒズムを足して2で割った様な感覚を得た。疲れるが、頑張っていることに対する心地よさがある。なるほど、苦しみながら肉体を鍛える人の気持ちがわかった気がする。これは楽しい。
凄い逆風と本降りの雨に見舞われ、時速6kmを切る部分もあったが、自転車を押さずに漕いで登り切った。3時間くらいかかるかと思ったが、1時間半くらいで済んだ。
体も荷物もびしょぬれだ。非常に寒い。トイレの小屋に逃げ込んだ。Tシャツを脱ぎ、長袖のジャージに着替えた。ズボンは仕方ない。
後はひたすら下りだ。麓近くに熊の湯がある。さっさと下りて冷えた体を温めよう。
が、下りの方が登りよりきつい。寒いし、雨なのでスリップが恐いし、雨が顔にばちばち当たって痛いし、ブレーキレバーを常に握っていなければならないが、ブレーキレバーの角度の悪さと寒さで握力が消耗する。
登りでは体力は減ったが、気力は減らなかった。下りでは気力が減る。集中力を切らさないようにしないと事故ってしまうだろう。
30分以上の嫌~な下りを乗り切って、ご褒美の熊の湯に着いた。非常に熱い湯だが、凍えた体がすぐに温まる。地元のおっちゃん達から地元情報を聞くのも楽しい。Kさんと共に「熱い、熱い!」と言いながら、一時間はいたか?素晴らしい露天風呂だった。地元の有志の方々により管理されているらしいが、旅人も無料で利用させて頂けるのは大変有難いことだ。
Kさんが「今日も奢るからモシリバ(羅臼町の南の標津町にある宿)まで一緒に行かない?」と仰るので、着いて行くことにした。 熊の湯というご褒美の後は、早速雨天走行という罰ゲームだ。羅臼町の道の駅で休憩した後、モシリバまでの25kmを一気に行く。余計な事を考えず、もうひたすら漕ぐしかない。
モシリバは、ログハウスで小綺麗な宿だった。宿のご夫婦は、親切に薄汚れた旅人を迎えて下さった。奥さんが煎れてくれた温かいお茶が非常に旨かった。
自転車旅人の安息、風呂と夕飯。今日の様な日には、一段と有難い。夕飯はちゃんちゃん焼きだった。この旅でちゃんちゃん焼きを食べられるなんて、想定外だ。嬉しいね。
更に、ご飯を食べた後に、ご主人が焼酎の流氷割を出して下さった。流氷は少し塩味がして、溶ける際にぷちぷちと空気が出る音が鳴る。面白い物を頂いた。ちゃんちゃん焼きといい、旅の思い出になる。
今日は、ベッドのかけぶとんの上に寝転がりながらブログを書いていたら、眠りに落ちた…
昨晩食べ過ぎたので、朝ご飯は一膳しか食べなかった。
宿代は、KさんとNさんが私の分を出して下さった。申し訳ない。昨日今日の仲なのに、ありがとうございます。
知床峠への道と、ウトロへの道の分岐点である知床五湖センターまで、宿の人に車で送ってもらった。宿から結構な登り坂があるのだ。チャリダーとしては、ズルだ!
五湖センターに着いても、峠を越えるか否か、まだ決められない…。センターの人に峠と峠の向こうの様子を聞くと、峠は霧で何も見えず、峠の向こうの羅臼町は曇り、峠の道は熊が横断することがあるのでチャリンコのベルを鳴らして下さいとのこと。
悩んだが、この峠を迂回したら、旅を終えた後に悔いが残りそうな気がしたので、越えることにした。峠を越えれば熊の湯がある。
五湖センターの前でたむろしていると、あの女性チャリダーも下からやって来た。彼女はズルをせずにウトロからここまで登って来た。『僕らは男がすたることをしてここまで来たんだよ』と言っておいた。彼女は五湖センターへ入っていった。
私と同じく、知床峠を越えるか迷っていたKさんも越えることにした。今日東京に帰らなければならないNさんと別れ、いざ出発。
五湖センターから頂上までは、11kmの道のりらしい。詳しくはわからんが、600m以上登らなければならない。そんな登りは初めてだ。
当たり前だが、いきなり坂道だ。先は長い。体力を温存しながらゆっくり登る。熊が恐いので、忘れずにベルを鳴らす。
登り始めて間もなく、雨が降ってきた。不精こいて雨具を出さなかったので、荷物が濡れる…。
1km毎に休憩することにした。坂道なので自転車を停めて離れることは出来ないが、立ち止まるだけでも、漕ぎ続けるよりはかなり体力の消耗を抑えられる。それに、1kmずつ残りの距離が減っているのを実感出来る。
峠を登っていると、ナルシシズムとマゾヒズムを足して2で割った様な感覚を得た。疲れるが、頑張っていることに対する心地よさがある。なるほど、苦しみながら肉体を鍛える人の気持ちがわかった気がする。これは楽しい。
凄い逆風と本降りの雨に見舞われ、時速6kmを切る部分もあったが、自転車を押さずに漕いで登り切った。3時間くらいかかるかと思ったが、1時間半くらいで済んだ。
体も荷物もびしょぬれだ。非常に寒い。トイレの小屋に逃げ込んだ。Tシャツを脱ぎ、長袖のジャージに着替えた。ズボンは仕方ない。
後はひたすら下りだ。麓近くに熊の湯がある。さっさと下りて冷えた体を温めよう。
が、下りの方が登りよりきつい。寒いし、雨なのでスリップが恐いし、雨が顔にばちばち当たって痛いし、ブレーキレバーを常に握っていなければならないが、ブレーキレバーの角度の悪さと寒さで握力が消耗する。
登りでは体力は減ったが、気力は減らなかった。下りでは気力が減る。集中力を切らさないようにしないと事故ってしまうだろう。
30分以上の嫌~な下りを乗り切って、ご褒美の熊の湯に着いた。非常に熱い湯だが、凍えた体がすぐに温まる。地元のおっちゃん達から地元情報を聞くのも楽しい。Kさんと共に「熱い、熱い!」と言いながら、一時間はいたか?素晴らしい露天風呂だった。地元の有志の方々により管理されているらしいが、旅人も無料で利用させて頂けるのは大変有難いことだ。
Kさんが「今日も奢るからモシリバ(羅臼町の南の標津町にある宿)まで一緒に行かない?」と仰るので、着いて行くことにした。 熊の湯というご褒美の後は、早速雨天走行という罰ゲームだ。羅臼町の道の駅で休憩した後、モシリバまでの25kmを一気に行く。余計な事を考えず、もうひたすら漕ぐしかない。
モシリバは、ログハウスで小綺麗な宿だった。宿のご夫婦は、親切に薄汚れた旅人を迎えて下さった。奥さんが煎れてくれた温かいお茶が非常に旨かった。
自転車旅人の安息、風呂と夕飯。今日の様な日には、一段と有難い。夕飯はちゃんちゃん焼きだった。この旅でちゃんちゃん焼きを食べられるなんて、想定外だ。嬉しいね。
更に、ご飯を食べた後に、ご主人が焼酎の流氷割を出して下さった。流氷は少し塩味がして、溶ける際にぷちぷちと空気が出る音が鳴る。面白い物を頂いた。ちゃんちゃん焼きといい、旅の思い出になる。
今日は、ベッドのかけぶとんの上に寝転がりながらブログを書いていたら、眠りに落ちた…
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この記事へのコメント
歯ブラシを
『苦しみながら肉体を鍛える人の気持ち』が理解った気がする、、、とのこと、とても興味深い心境ですなぁ。。。
体育会系人間的な目線でいえば、逆に不思議な感じもする。
旅の中でそういうの沢山体験してくだされ。。
・
登りとくだりのメリハリがあるなら、やってやろうと思います。